ご挨拶

新年おめどうございます。

2024年は、温暖化が顕著で世界の平均気温が観測史上最高になり、世界の各所で自然災害が多発しています。自然災害の主たるものは地震、台風と豪雨によるものであり、公共インフラから住宅までその強靭化は緊急の課題です。昨年は元旦に能登半島地震が発生し、福井県から新潟県まで液状化が発生し、甚大な被害が発生しました。自然災害の予測・対策やインフラ設計では液状化に対する強さを予測することが重要であり、種々の方法が用いられてきました。 特に地盤の液状化を含む予測・解析において数値シミュレーション手法が発展してきました。この方法は、1995年の兵庫県南部地震や2011年の東日本大震災以降解析ツールとして定着しております。近年、豪雨による堤防の崩壊や斜面土砂災害も多発し、照査法の充実が期待されています。将来の巨大地震などの地震や豪雨災害などへの備えを行うにあたり、解析ツールの重要性は増しています。本解析ツールは、河川堤防などの土構造物の浸透・越流破壊問題、洋上風力発電などエネルギー施設を含むインフラ建設・再構築問題にも対処できる解析法となってきています。これらの解析法によって、国土の強靭化、エネルギ確保への取り組みが進むことを願っております。今年もよろしくお願いいたします。

令和7年1月

一般社団法人 LIQCA 液状化地盤研究所 代表理事 岡 二三生